2021年の十三夜は10月29日(木)です。

ですが十五夜と比べると、あまりなじみのない十三夜を知らない人も多いようです。また、中国の由来の十五夜と違い、十三夜は日本が由来なのをご存知でしょうか?

今回は

  • 十三夜とは?その由来について
  • お供えする物
  • 十三夜と十五夜の関係!片見月に注意

など十三夜について詳しく紹介します。これを機会に十三夜を知ってくださいね。

十三夜とは?十五夜との違いについて

十三夜(じゅうさんや)とは、新月から数えて13日目を指す月齢のことを言いますが、一年の中でも中秋の名月(十五夜)に続いて月が美しく見えるとされ、「後の月(のちのつき)」とも言われています。

また、十五夜との関係で「二夜の月(ふたよのつき)」などとも呼ばれることもあります。そして現在では「旧暦の9月13日のことを十三夜」とするのが一般的です。

ただし、十三夜十五夜と同じで、旧暦新暦になおして10月13日とするのではなく、その年によって日付が変わります。2021年からは

西暦 十三夜の日
2021 10月18日
2022 10月8日
2023 10月27日
2024 10月15日
2025 11月2日

となっています。

2021年の十三夜が見られる時間と方角

今年の十三夜である10月29日の東京の月の出は16時10分なので、まだ明るいのと、月の出の最初は水平線に近いところに位置するので、周りに高いビルがあるようなところでは見えにくいかもしれません。それであれば、18時以降に見ることをおすすめします。

方角は16~19時までは「」の空に、22時05分に「月南中」で一番高い位置で見えます。

十五夜と十三夜の違い

月は新月からおよそ15日で満月になりますが、十五夜満月ほぼ満月に近い形です。一方で、十三夜は満月から8割ほどで、左側の2割ほどの月が影となり欠けている状態です。

十三夜

どちらもきれいな月ですが、十五夜はあまりすっきりしない夜空であることが多いのに対して、十三夜が見られる10月(または11月)は秋晴れの日が続くことから、昔から「十三夜に曇りなし」と言われたそうです。空気が澄んでいて、よりきれいな月と出会えます。

欠け始めた月を眺める」この情景を美しいと感じる感性は、日本人ならではかもしれません。

十三夜の始まり、その由来とは?

十五夜のお月見は、中国から伝えられたものとされていますが、十三夜は生粋の日本生まれです。ただその由来について、一説では宇多(うだ)天皇が九月の十三夜の月を見て「無双」と賞したことがはじまりとか。

また「躬恒集(みつねしゅう)」に醍醐天皇が919年に清涼殿で月見の宴を9月13日夜に行ったと記載されています。なぜか中国から伝わった十五夜ばかりがクローズアップされますが、ぜひ日本由来の十三夜もきっちりとお祝いをしたいものですね。

十三夜にお供えするものは?

十三夜 お供え物

十五夜と同じように、お月見団子をお供えします。

お団子の数はいくつ?

お団子の数には2つの説があります。

  • 十五夜なら15個、十三夜なら13個
  • その年の旧暦の月の数で、平年なら12個、閏月がある年なら13個
ですが、最初のほうが一般的なようです。

お団子の並べ方は?

お団子にも並べ方があります。

  • 13個の場合:下に9個、上に4個
  • 12個の場合:下に9個、上に3個
となります。

お供え物で十三夜にも他の呼び方がある?

十五夜はもともとはお団子ではなく、さといもを供える風習があったことから「芋(いも)名月」と呼ばれていました。一方で十三夜は栗や豆が供えられたことから、

  • 栗名月(くりめいげつ)
  • 豆名月(まめめいげつ)
などと呼ばれることもあります。

お団子の他にお供えするものとは

栗名月や、豆名月と呼ばれている様に「」や「」をお供えしますが、その他、季節の果物ススキ(秋の七草の一つです)や御神酒を供えます。

特にぶどうのつるは、月とのつながりを強くするといわれ、昔からよくお供えされていたようです。

ススキをお供えする理由とは

日本人は、昔からお米を主食として十三夜きました。そんな生きていくのに欠かせないお米の稲穂をぜひ収穫の神様に感謝とともにお供えしたかったのでしょう。

しかし十五夜の時期にはまだお米の収穫は終わっていません。そこで、たわわに実った稲穂に見立ててススキを飾ったとされています。地域によっては、「結婚前の女性はお供え物を食べてはいけない!」との言い伝えがあったようです。

実はお供え物を食べると妊娠すると信じられていたようです。今では絶対に考えられないですね。

お供え物にもいろいろな言い伝えがありますが、今年ののお月見には、あなたの地元の言い伝えなどを家族で一緒に調べてみるのも、十三夜の楽しみ方のひとつかもしれません。

「片見月」は縁起が悪い?

かつて江戸では、「十五夜と十三夜の月見は同じ場所で行うべきもの」とされ、十三夜の月見を別の場所で行う「片見月(かたみつき)」は縁起が悪いとする風習があったようです。

また、場所に限らず、「十五夜は月見をしたが十三夜は月見をしなかった場合」も「片見月」とし、縁起が悪いとする言い伝えもあります。

十五夜について詳しくは十五夜・中秋の名月2021は9月21日(火)!見える時間や方角と月見団子の由来や十三夜との関係についてをご覧ください。

片見月の由来・起源とは?

片見月の由来については明らかではありませんが、遊郭、吉原の客寄せの一環として生まれたのではないかと考えられています。江戸時代の遊里では十五夜十三夜の両方を祝い、どちらか片方の月見しかしない客は「片月見で縁起が悪い」と遊女らに嫌われたそうです。

「8月15日に来た客を9月13日にもう一度来させるために江戸の遊女が考えたビジネス戦略なのでは?」とも言われています。お客の男性たちよりも遊女が一枚上手だったようですね(笑)

十三夜が二度の閏(うるう)月と次回はいつ?

旧暦では3年に1度、「閏月」を入れて季節とのずれを調整します。旧暦に従うと実は、2014年は171年ぶりに旧暦の9月と10月の間に閏9月がもうけられる年にあたり、「十三夜」が2度ありました。

これは「後十三夜(のちのじゅうさんや)」と呼ばれています。ちなみに、前回「後十三夜」があったのは、1843年(天保14年)のことでした。

次に「後の十三夜」が訪れるのは95年後の2109年なので体験するのは難しいですが、その頃の日本では十五夜や十三夜のお月見を楽しんでいるのでしょうか?

まとめ

  • 2021年の十三夜は10月18日(月)
  • 十三夜は新月から数えて13日目を指す月齢のこと
  • 十五夜は中国の由来だが、十三夜は日本が由来
  • 十三夜のお供えは団子以外に栗や豆が一般的、「栗名月」「豆名月」とも言われている
  • 十五夜だけをお祝いするのは「片見月」と呼ばれ、縁起が悪い

十五夜よりも晴れる日が多い十三夜の名月は、「秋の夜長、夜どおしながめてもあきない美しさ」と形容されるほどです。ぜひ今年は十五夜だけではなく、十三夜にもしっかりお供えをしてお月見をしてくださいね。